映画生活

基本的にネタバレ有りなのでご注意ください

【映画感想】タクシードライバー (1976)

1976年公開。

ロバート・デ・ニーロ主演。

 

初見ですが、大雑把な感想としてはこの前見たホアキン・フェニックスのジョーカー(2019)っぽい感じです。日々報われなさやストレスを感じていた男がだいそれたことをしでかすという具合です。

 

前半の主人公(デニーロ)は見てて「あいたたた・・・」と感じる行動が目立ちます。行動力高いけど他人との距離感のとり方がわからない人という印象です。高嶺の花のとある大統領候補の後援者である女性にごりごりアプローチして映画の約束まで取り付け実際に劇場に足を運びますが運んだ先が自分が普段見ているポルノ映画で彼女は激怒。そりゃねぇだろ・・・と思いました。

 

主人公は腐敗した街(その元凶)を恨んでいて大統領候補者をタクシーに乗せたときも半ば鬱憤をぶちまけていて腐った連中を掃除してほしいと口から出してしまいます。そしてジョディー・フォスター演じる娼婦の少女が逃げる用にタクシーに乗りかかったものの男に口止めされ、そのままスルーしてしまった出来事が「きっかけ」となり主人公に最大の転機が訪れるというのが前半です。

 

中盤でデニーロが体を鍛えだしたり、購入した銃で予行演習を自宅でするシーンは中二病感満載でした。

しかしこの映画で主人公のやったこと(善行含む)はリアルで欲求を満たすための大義名分に過ぎないんですよね。だから全ての行動の中に主義主張や一貫性のようなものがなくただの思いつきや場当たり的に見える(ように演出している)。

 

最後はジョディを救うために拳銃をぶっ放しジョディの両親から感謝されます。そして最後のタクシーに乗っているシーン。前のシーンで相手から弾丸を受けてデニーロが死んでしまったような描写がありました。そのシーンではモヒカンになっていますが、その最後のシーンではもとに戻っていました。妄想かと思いましたが素直に捉えるとあれは現実なんだろうと思います。オープニングとエンディングで同じ曲が流れています。前後は違いますが同じ構図。体をはって一騒ぎは起こせたもののそれは一時的なもので何も変わってないという演出だったのかなぁと思いました。

 

デニーロの演技は流石だと思いましたが、この映画に出てくるジョディー・フォスターもリアルで13歳なのに家出少女(娼婦)をうまく演じていて流石だと思いました。

 

ググって知りましたがこの映画を見てジョディ・フォスターのストーカーになった男がジョディの気を引くために映画の主人公のように大統領暗殺未遂をした事件があったというのも驚きです。