【映画感想】ザ・ファイター(2010)
2010年。
マーク・ウォールバーグ(弟役)、クリスチャン・ベール(兄役)のボクシング映画。実話ベース。
地方の街。仲の良い兄弟がいてボクシングやってます。兄は口達者で豪放磊落そうに見えて隠してる心の弱い部分を突っつかれると暴れだすというような性格をしていて弟はボクシングを仕込んでくれた兄に対する尊敬の念からか頭が上がらないように思いました。
主人公の家庭は家族でボクシングを頑張っていて家族経営の亀田ファミリーみたいな感じです。ファミリーの結束は強いがよそ者を毛嫌いします。ちなみに姉がいっぱいいます。
兄は引退気味で弟が現役ボクサー。マネージャーである母親が適当な試合(10kgくらい重い相手と無理やり対戦することに)を組んでしまったことから家族に亀裂が入ります。
同時期に弟に恋人が出来て、話しているうちに家族クソじゃんって思います(彼女が)。弟は家族と彼女の間で心が揺れます。
マネージャー母&姉たちもよそ者は嫌いなんで弟の彼女に対して面と向かってMTV女(あばずれの意味)とか言っちゃって仲は最悪に。
兄も警察に捕まっちゃうし弟の周囲はだんだんカオスになっていきます。結局弟は彼女の助言通り家族と別れ別のトレーナーのもとでトレーニング。母は激昂し弟や新マネに怒鳴り込んだり、トリガーだった夫に食器を投げつけ、姉たちと共に彼女の家に乗り込んだりします。
兄は刑務所の中で今までドキュメンタリーの取材を受けていたんですがそれにかこつけてドラッグ中毒であることをバラされ、家族仲は最悪になります。
そんな中、兄は出所。ここでもまた弟の管理をめぐりひと悶着。弟はなんでみんな仲良くできないんだよ!と叫びますが、そう簡単に仲良くなれるなら誰も人間関係で苦労しません。結局彼女を取りこれまで通り新マネのもとでトレーニング。
結構うまく勝ち星を築きますが、強敵が登場。兄の助言を元に負け筋かと思われていた試合をひっくり返し逆転勝利。
そしてラスボスのチャンピオン戦へとなだれ込みます。兄はセコンドとして参加。家族たちも観客席で見守ってます。チャンピオンは強くめちゃめちゃ追い詰められます・・・
という流れです。
マーク・ウォールバーグは安定の演技に加え、とんでもない肉体改造をやってのけています、クリスチャン・ベールに匹敵する役者魂かと。
兄演じるクリスチャン・ベールの演技も良いです。過去の栄光(チャンピオンをダウンさせた(けど試合は負けた))を語り草にしているものの、本当は満足していない、弟依存、悪い奴らは全員友達、みたいな人間をうまく役に落とし込めていました。
今回の彼のビジュアルはプリブレのTバッグ(ロバート・ネッパー)っぽいです。
誰もが弟のためを想う愛を持っていて、それが強すぎてお互いに譲ることができず、そこで衝突が生じてしまっている状態に風穴を開けたのが出所後の兄の行動です。
もちろん弟に勝たせたい、自分が成し遂げられなかった本当の栄光を勝ち取って欲しいという強い思いが彼を譲歩させ、いままでいがみ合っていた人たちの緊縮を緩める一手だったと思います。
そして最後の瞬間は全員の心が一つになった瞬間だったでしょう。
最後にモデルになったご本人たち登場となるんですけど、お兄さんのいかにも食い気味に被せるような喋り方に笑っちゃいました。
いろいろあったけど最後笑える、そんな映画です。