【映画感想】救命士(1999)
1999年。
ニコラス・ケイジ主演、スコセッシ監督。
治安の悪い街担当の救命士が主人公。罪の意識や無力感、悪すぎる治安等が原因かだんだん頭がおかしくなっていき・・・みたいな流れです。
ノリは頭いかれてる系。登場人物の半分くらいは頭がぶっ飛んでいて面白いです。特にノエル(劇中で頻繁に出てくるドレッドヘアの漢)をぶん殴ったり器物破損していた同僚。というか監督がぶっ飛んでますね。
劇中でニコラス・ケイジが言っていた「俺は救えない、ただ看取るだけ」みたいなセリフが印象に残りました。救命士という職業の理想(救う)と現実(救えず看取ることが多い)のギャップに苦しみニコラス・ケイジがだんだんヤクチューみたいになっていきます。
演出は中盤街の道端から幽霊が生えてきてニコラス・ケイジが救いの手を差し伸べるところのオサレ演出が印象に残りました。
終盤、植物状態の彼女の父親を死なせてやるところはミリオンダラー・ベイビーを思い出し、ラストシーン、幻覚(救えなかったローズという女性)に激励され、それまで消耗していた漢が最後にやっと安心して眠ったところはマシニスト(クリスチャン・ベール主演)を思い出しました。
イかれてる中にも哀愁が漂う独特な雰囲気の映画でした。