【映画感想】愛を読むひと(2008)
2008年。
主人公は男性のほうですよね。
主人公は、15歳→法科の大学生→弁護士となっていきます。
15歳の時に心優しい女性に助けられて恋に落ち、放課後にエッチしては本を読んで・・・ということを繰り返します。時には喧嘩をし旅行に行ったりもしました。思春期のいい思い出が描写されるのが序盤です。序盤は彼女が主人公の前から忽然と姿を消すところで終わります。
事前知識なしで見ると時系列とか登場人物の年齢で???なところにぶつかり途中でググってしまいました。
最初の場面では主人公15歳、大人の女性36歳だったようです。そこから裁判時の時系列になり女の人で40過ぎということが判明し、じゃあえっとこの時の主人公はだいたい20ちょいかということで納得が行きました。
主人公と女性が接点のなかった6,7年の間に女性のアウシュヴィッツ収容所の話になり、主人公はロースクールにというのが中盤。
終盤は20年後の世界という感じでした。
女性が文盲であるということが直接的ではありませんが中盤で判明。それが彼女は強く恥じていて誰にも知られたくない、たとえ愛するに人にだとしても絶対に知られたくないという秘密だったことを悟る主人公。あの時の喧嘩の原因、違和感もこのことだったのか・・・というように。
女性を嵌めるために同僚の女達が彼女がメモで工作を指示したという偽りの証拠を裁判で提出した時があり、主人公はこの時彼女が非識字者だということをわかっていました。ここを反証として提出すれば逆転無罪も勝ち取ることができました。でもそれは彼女の知られたくない最大の秘密であり恥なことを公衆の面前で晒さないといけない。葛藤にかられて主人公は何も言えず、彼女もまた筆跡鑑定を拒否して有罪を食らってしまい、結果無期懲役に(とはいえ20年で仮出所)。
文盲であることを恥じる と 無期懲役 は天秤にかけるほどのものなのか?
なぜ自殺したのか?
この辺が腑に落ちませんでした。信念信条はその人それぞれが異なって持つものですし、自分がとやかく言うことじゃないんですけど、なんでや・・・という気持ちになり泣いてしまいました。
幸せな結末ではありませんでしたが、それ故心に来る映画、という感じでした。