映画生活

基本的にネタバレ有りなのでご注意ください

【映画感想】ビューティフル・マインド(2001)

2001年。

ラッセル・クロウ主演。

 

ナッシュ均衡で有名なジョン・ナッシュ博士の半生を描いた作品です。

 

最初はパツキン美女にいきなり性交渉は体液の交換だとかなんとか言い出してさすが天才は考えることは違うと思いましたけど普通に結婚してよかったと思いきや突然世界観がスパイ映画っぽくなります。いきなり腕に映画「TIME」のような数値が浮かび上がる(認証コード?)注射をされ家族に内緒で政府の極秘仕事をするみたいな展開になり若干困惑、それから幻覚というキーワードが出てきてます。しかしまだ現実か幻覚なのかわからずますます困惑・・・そして統合失調症だということが判明してやっぱり幻覚だったのかとわかりますが、どっちなの?と思わせる演出がうまいです。

 

幻覚は統合失調症の症状なんですけど、本人は最初幻覚を幻覚と理解できず頭が混乱して社会生活にも影響が出始めます。幻覚の謎のエージェントがナッシュを振り回します。彼の仕草を小馬鹿にした感じで真似する生徒、それ見て笑う生徒たちが印象的でした。

今まで友達だと思っていたルームメイトに裏切られたと思いきやそのルームメイト(とそのルームメイトの姪)すら幻覚で現実に存在しない人物だったという悲しさもあります。ちなみに幻覚にだと気づくきっかけが時がたってもいつまでも成長しない彼の姪でした。

 

そんな彼を介抱する妻の苦しみも同時に描かれていて辛抱強く彼に寄り添いますが、時として爆発し鏡を壊したりします。でも自分の心を壊さないでよかったと思いました。夫を見捨てず裏切らず献身的な愛を捧ぐ妻の姿は素晴らしく、きっとご主人がご病気で介護、看病されている世の人々に響くんじゃないかと思いました。妻を演じていたジェニファー・コネリーの演技も良かったです。でも実話だと二人は一度離婚してしばらくして以前の関係を取り戻しまた本人同士で再婚したそうです。

 

ラストはナッシュ、奥さんともに年配の姿となりノーベル賞授与式で奥さんへの愛のスピーチをして終わります。その傍らには消えることのないエージェント、ルームメイト、その姪の三人の幻覚があった・・・という感じで終わります。

 

見終わってみるとラッセル・クロウの演技がやっぱり良かったですね。統合失調症なんて実際に患ってみないと患者さんの気持ちはわからないと思うんですけど、細かい仕草やちょっとした言動からなんとなくですが葛藤や辛さみたいなものが伝わってきます。丁寧に役作りされたのかなと思いました。

 

なかなか良かったです。