映画生活

基本的にネタバレ有りなのでご注意ください

【映画感想】わたしは、ダニエル・ブレイク(2016)

2016年。

ケン・ローチ監督。

 

心臓を悪くして働けなくなり給付金を求めるもの役所の水際対策に翻弄される初老男性が主人公です。

もうひとり若い女性も主人公格で子供二人と新天地で極貧生活を送らざるを得なくなっているという悲惨な状況で、この二人が出会い交流を深めます。

さて初老男性は無事に支給なるか?・・・という感じです。

 

 

思わずため息が出るようなテーマ。

全体的には悲壮感が漂っているはずなんですけど、前半パソコンに苦戦する初老男性のパートは思わず笑ってしまいました。エラー出まくるくだりとか。

 

序盤隣人の黒人に生ゴミ置くなとか犬の散歩中の人と犬の糞の件で揉めたりと老害系かと思いきや、黒人とはそうは言いつつも楽しそうに交流したり、また困っている若い女性に手を差し伸べて家の壊れているところを直してやったり、子供の世話をしてあげたりと誤解されやすい振る舞いとは裏腹に心根はまともな人物でした。

そして主人公がいいやつであればあるほど役所の対応がクソに見えてきます。

 

 

ずっと見ていて貧困女性の方はいつか売春するんだろうなぁと思ってみていましたがやっぱりそうなってしまいました。こういう人が実際の世界にいると思うと思わずため息が出ます。

 

ラストはまさかの結末。びっくりしました。これから役所との対決もクライマックス、最後の一戦の前に武者震い、というところであの展開。ただ心臓が悪いという伏線もあったのでびっくりしたあとにああ確かにと思っちゃいました。

 

 

メッセージ性強、考えさせる系、そんな感じの映画っぽいんですけど、クレイジーな展開もちゃんとあり、ラストもびっくりだったので個人的には普通に映画として面白く見ごたえのある作品でした。