1990年。
実話ベース。
謎の慢性神経症患者と臨床経験がなかった医師との交流を描いた作品です。
ロビン・ウィリアムズ演じるセイヤー医師は慢性神経症の患者たちを観察していくと、目の前でものを落とすと患者たちがめっちゃ早くそれをキャッチすることを偶然発見します。
患者たちは皆常に上の方を向いていてまるで生きながらにして死んでいるようでしたが、みんなでボールのパス回しなんかをします。その光景はそんな表情をしつつも患者たちはどことなく楽しんでいるようでした。
更に治療するためにパーキンソン病の新薬をロバート・デ・ニーロ演じるレナードに投与。
その夜奇跡が起きます。
レナードは正常な人間に戻ったのです。
レナードは30年くらい病を患っていたので外の世界は刺激に満ちたフィールドですべてが新鮮。喜びます。
そしてある女性を好きになります。
その後新薬は患者皆に投与されレナード同様治ります。
ある日レナードは一人で病院の外に出ようとします。セイヤー医師は賛同したいところですが、上からの圧力でそれは駄目になります。
レナードは強引に出ようとしますが、取り押さえられます。
それからレナードは凶暴になってしまいます。
取り巻きを作って医者たちを威嚇したりします。
レナード母はそんなレナードは見たことなかったのでショックです。
それからだんだんレナードの痙攣がひどくなっていきます。
その様子をセイヤーに撮れ撮れと記録に残すように言います。
セイヤーは自分の無力さを嘆きます。
そしてレナードを筆頭とする患者たちは皆元に戻ってしまいました。
という内容です。
なんともやるせない内容ですね。
劇中でレナードか誰かがもとに戻ってしまう前に、奪われて与えられてまた奪われるみたいなことを言っていました。
そのセリフがあってかセイヤー医師が彼らに対してしたことに対して罪悪感を覚えるシーンがあります。
正常な人間になることを与えられ、薬が効かなくなり、また異常な人間に戻ってしまうなら与えるなという理屈はどうなんだろう、人生のほんの一時だとしても素晴らしい時間を共有したのだから結果的に良かったじゃないかと思いましたが、自分の身に起きた出来事ではないので他人事です。結局何も言えることはないということになってしまいます。
ここで終わりですと物語が締まらない感じになってしまいますが、彼らとの交流を経て奥手なセイヤー医師の成長を垣間見るシーンが最後にあるのがいいですね。
レナードが元に戻る前に必死に撮れ撮れと言っていたのはあれはきっと諦めてなかったからなんでしょうね。記録して研究して今はまだ未完成だけど、将来的に完成させて自分を永久的に治してくれ、約束だぞ、という心の叫びだったんでしょうね。
それと好きな女性を病気で諦めるしかない辛さ。きついです。
心に残るものがある映画でした。