映画生活

基本的にネタバレ有りなのでご注意ください

【映画感想】復活の日(1980)

1980年。

 

ウイルス系。

コンテイジョンアウトブレイクは視聴済み。

コロナで話題になった復活の日もこの度視聴。

 

人間が製造したやばいウイルス兵器が盗まれ、瓶が割れたのが発端。

 

人類は滅びます。南極にいた1000名弱の人々を残して。

劇中では世界が死んだと表現していました。

 

主人公は草刈正雄(若いころ)。南極にいた日本の隊の一員です。

前半では彼らの大切な人たちが為すすべなく死に絶えていく姿が描写されます。

 

後半は南極が舞台。生き残った人たちの生活が描かれていきます。

男女比800:8という状況でレイプ事件が発生。女性たちは女性の権利を訴えるも人間の性の欲求や子孫繁栄のために性交渉は南極政府が管理することに。

それでクリスマスにくじ引きで性交渉の相手を決めるということになるのが面白かったです。

 

ヒロインは多岐川裕美かと思いきや前半で死んでしまったため南極で発見したノルウェーの女性の方にバトンタッチ。

お互い意識しつつも、くじで選ばれたのは別のどうでもいい男・・・なんとも煮えきれませんね。

 

その後巨大地震が起きるということに。巨大地震だけならまだマシなんですけど、核攻撃と誤認した自動報復装置が作動してミサイルが南極に跳んでくるという事態に。

発射を阻止するためにホワイトハウスに誰かが行くことに。

ここで相棒的ポジションの男性が俺がいく!と言い出し草刈も続きます。ここで足手まといだジャップみたいなことを言い出し、殴り合いの喧嘩をはじめます。そしてジャイアンに認められたのび太みたいなことになり二人で行くことに。

ワクチン射って出発。

相棒、ジンセイハスバラシイ・・・と言って事故死。

しかもミサイル発射阻止できず。

世界は2度死んだ・・・となったのは正直意外でした。

 

あまり重要視してませんでしたが、万一のために女性を中心とした一団(女性は貴重な資源だから)は砕氷船で避難。この避難がラストへの伏線になります。

 

見ていてこの場面の意識から抜けていたので、え?どうすんのオチと思いました。

 

そして最後に奇跡が起こる・・・という流れです。

 

 

感想は、結構良かったです。

終盤のミサイル阻止ミッションのクライマックスは画面から釘付けになりましたし、その後まさかの超展開。

超展開でびっくりさせるだけにとどまらずそこからボロボロになりながらも決して諦めずに歩を進める草刈正雄の演技に心を打たれます。

 

南極政府の面々もワールドワイド。そういうのも新鮮で良かったです。

正雄とヒロインの女性は美男美女でお似合い。

 

コンテイジョンアウトブレイク復活の日

新型ウイルス系映画を見てきましたがどれも面白く、それぞれ方向性が異なっているため比較しようという気にはならないのもいいです。

 

見てない方は是非。

 

【映画感想】ラストベガス(2013)

2013年。

マイケル・ダグラスロバート・デ・ニーロ

 

大御所ハリウッド俳優4人がベガスでヒャッハーするだけの映画かと思いきや最後はいい感じに。

 

マイケル・ダグラスロバート・デ・ニーロの恋の対決がいいですね。

 

ダグラスがデニーロに恋人を譲りデニーロとくっつくんですが、本当はダグラスのほうが恋人が好きだった。

という60年越しの事実を知った時のデニーロのシーンが良かったです。

 

そんな出来事があったこの二人なんですが、ベガスで出会った一人の女性を両方とも好きになってしまうということが。ここでもまた女性に好かれるダグラス。またダグラスは譲ろうとして前述のデニーロが真実を知るシーンに繋がります。

はたしてデニーロとダグラスの恋の行方は?という感じです。

 

最後のオチはとてもスッキリして後味は良いです。

単なる大御所揃い踏み、話題性先行の映画かと思いきや、押させるべきとこはちゃんと押さえられていて俳優のみならず、脚本にも円熟味を帯びているナイスなじじい4人組映画でした。

 

【映画感想】愛を読むひと(2008)

2008年。

ケイト・ウィンスレット他。

主人公は男性のほうですよね。

 

主人公は、15歳→法科の大学生→弁護士となっていきます。

15歳の時に心優しい女性に助けられて恋に落ち、放課後にエッチしては本を読んで・・・ということを繰り返します。時には喧嘩をし旅行に行ったりもしました。思春期のいい思い出が描写されるのが序盤です。序盤は彼女が主人公の前から忽然と姿を消すところで終わります。

 

 

事前知識なしで見ると時系列とか登場人物の年齢で???なところにぶつかり途中でググってしまいました。

 

最初の場面では主人公15歳、大人の女性36歳だったようです。そこから裁判時の時系列になり女の人で40過ぎということが判明し、じゃあえっとこの時の主人公はだいたい20ちょいかということで納得が行きました。

 

主人公と女性が接点のなかった6,7年の間に女性のアウシュヴィッツ収容所の話になり、主人公はロースクールにというのが中盤。

 

終盤は20年後の世界という感じでした。

 

女性が文盲であるということが直接的ではありませんが中盤で判明。それが彼女は強く恥じていて誰にも知られたくない、たとえ愛するに人にだとしても絶対に知られたくないという秘密だったことを悟る主人公。あの時の喧嘩の原因、違和感もこのことだったのか・・・というように。

 

女性を嵌めるために同僚の女達が彼女がメモで工作を指示したという偽りの証拠を裁判で提出した時があり、主人公はこの時彼女が非識字者だということをわかっていました。ここを反証として提出すれば逆転無罪も勝ち取ることができました。でもそれは彼女の知られたくない最大の秘密であり恥なことを公衆の面前で晒さないといけない。葛藤にかられて主人公は何も言えず、彼女もまた筆跡鑑定を拒否して有罪を食らってしまい、結果無期懲役に(とはいえ20年で仮出所)。

 

文盲であることを恥じる と 無期懲役 は天秤にかけるほどのものなのか?

なぜ自殺したのか?

 

この辺が腑に落ちませんでした。信念信条はその人それぞれが異なって持つものですし、自分がとやかく言うことじゃないんですけど、なんでや・・・という気持ちになり泣いてしまいました。

 

幸せな結末ではありませんでしたが、それ故心に来る映画、という感じでした。

【映画感想】幸せなひとりぼっち(2015)

2015年。

 

偏屈じいさんと近所の人々との交流を描く一作。

 

現実世界と過去の妻と出会い、過ごした回想が交互に描写されていきます。

 

街のパトロールをしている頑固じいさん。人々から煙たがられているものの、昔からいる人なので気心の知れた仲な人もいる。

ルールに厳しく違反するものはバカども呼ばわり。

そして毎日自殺しようとしている。

半年前に癌で亡くなった妻の後を追うために。

 

こう書くと不幸な感じなのかなと思われるかもしれません。

実際に首吊、ガス、猟銃などで自殺未遂するも失敗。この失敗する様子をコミカルに描いています。

 

単なる最初のシュレック系じじいというわけではなく、頼まれたらなんだかんだで力になってくれるという優しさを見せることも。ここらへんは結婚できない男の桑野さんをイメージしていただけるとよいかと。

 

 

新しく越してきた隣人(妊娠してるイラン女性)に対しても最初はツンケンしていましたが、交流を経て段々デレてきてます。

もう最後の方はお互いに支え合ってます(口の悪さは相変わらずですが・・・)。

他にもゲイの人をなんやかんやで泊めてあげたり、猫を引き取ったり。口も悪くて排他的なはずなんですが一部の人には理解されているキャラというのが面白かったです。

 

自殺未遂のバリエーションもリズムになっています。

過去の回想シーンの挿入もまたリズムなので構成はテンポよく思えました。

 

主人公の魅力とストーリーの面白さでずいずい引き込まれて後半いろいろなバックグラウンドが明らかになっていき、理解者も増えてきたあたりでなんだか泣けてきました。

イラン人女性の赤ちゃんを抱っこする主人公が印象的です。いろいろあって抱くことの出来なかった赤ちゃん。

そして教師だった妻の教え子たちもまた彼女のことを覚えていました。

 

そしてラスト。

ずっと自殺して妻のもとに行こうとしていた主人公がまっとうな死に方でしかも交流のあった人々に葬式までしてもらって逝くというクライマックス。

そして近所の人々は亡き主人公の意思を受け継いで街を守っていく?というラスト。

 

見終わったあとに清々しい気持ちになりました。

ただ、タイトルの幸せなひとりぼっちってのはそれっぽいようで的を射ていないような・・・

 

結婚できない男っぽかったので個人的にはかなり楽しめました。

変な人が好きな人、ぼっちな人とかにオススメ。

【映画感想】最高の人生のつくり方(2014)

2014年。

マイケル・ダグラスダイアン・キートン主演。

 

初老二人の男女のラブロマンスです。

お互い配偶者に先立たれた男女。

ダグラス演じる主人公は偏屈じじいです。

でもダイアン・キートンが気になる・・・

さてこの二人の恋の行く末は?

みたいな感じです。

 

 

熟年ラブロマンスとは言え全編に渡ってコメディチックなので胃もたれは起こしません。

 

突如ダグラスの元に孫娘がやってくるくだりから面白くなってきます。

 

ラストはタイトル通りで最高のラストです。

そこに至るまでに主演の二人の間にちょっとした痴話喧嘩とかもありますがくどくないです。孫娘の存在がクッションになっているのもあると思います。

 

90分で問題を抱えていたほぼ全ての人たちの悩みがきれいに解消されるので後味すっきり。

鑑賞後はいい気持ちになれると思います。

 

特に年配の方にオススメです。

【映画感想】幸せのちから(2006)

2006年。

ウィル・スミス親子主演。

 

クリス・ガードナーという実在の人物の半生を映像化した作品。

成功するまでの道のりを描いているため不幸なシーンもあります。

例えば生活がどん詰まりとなり親子でホームレスとなるところですね。

 

全編に渡り慌ただしく働いたり、医療機器を売るために重そうなバッグ片手に東奔西走する父親の姿を描いているため割とシリアス。

生きることの大変さ、そんな忙しくどん底でも息子を育てていかなければいけない親の大変さを前面に押し出しているため見ていてちょっとため息が出ちゃいました。

 

最後に採用されるシーンのウィルの涙目が印象に残りました。

その後の息子を抱きしめるシーン。

実の息子なので感情移入しやすいのかなぁと思ったりもしました。

 

 

男で一つで息子を育てた・・・なんて人には刺さりまくりの映画でしょう。

【映画感想】はじまりはヒップホップ(2014)

2014年。

 

年配者のヒップホップグループを描いたドキュメンタリー映画です。

 

おじいさん、おばあさんが登場しますが、インタビューを受けているのは主におばあさんです。

おばあさん方の昔はああだったこうだったというような昔話が挿入され、ヒップホップグループとして初めて大会に参加して大成功を収めるまでが前半。

 

後半はプロモーションビデオのようなかっこいいダンスビデオの撮影や、世界大会に招待されるなど前半の勢いのままに順風満帆かと思いきや、大所帯故に旅費の問題等が出てきてしまいます。

 

スポンサーからのお金じゃ足りずに自腹で旅費を出すことのできる裕福な老人もいますが、グループメンバーみんながそんな裕福というわけではありません。

 

そこで中には世界大会に行きたくても行けなかったメンバーも出てきたりするも、大半のメンバーは世界大会に出場し、拍手喝采スタンディングオーベーションを浴びてめでたしめでたしという感じです。

 

 

アクティブなシニアの方たちを描いたリアルな作品。私はシニア世代ではないので正直人生の先輩としてすごいなとか、私の背中の丸まっていた祖母と比較して動きの俊敏さに驚いたりしました。特に昔演劇をやっていたおばあさんのダンスはキレッキレすぎて一瞬我が目を疑いました。

年配になっても新しい挑戦はできる、挑戦に年齢は関係ないんだ、というメッセージをしかと受け止めました。

 

シニア世代にオススメです。