【映画感想】ラ・ラ・ランド (2016)
2016年制作。エマ・ストーン主演。
全編に渡って心地よいジャズが流れているような映画なんですが、最初からいきなりジャズ調のミュージカルが始まって大丈夫かよこれと思いながら見ていました。
劇中でちょいちょいミュージカルがはじまります。最初は抵抗感がありましたがこういうもんなんだとわかればまぁ許容できます。春夏秋冬と進行していきます(正確にはプロローグの冬、春夏秋、5年後の冬)が、二人の恋を表しています。出会い、恋、仲違い、仲直り、別れ、その後・・・一連の二人の恋愛や夢がテーマの作品なんだと思います。
この映画の前半が春夏、後半が秋冬になっています。
春の終わりから夏はアツアツでそれからいろいろな意味で現実を見ることになり秋、冬では前半とはいささかテイストが違ったどちらかというとシリアスな雰囲気になっていきます。
突拍子もないミュージカルなんですがあれは妄想の世界なんですかね。最後の最後でそう思いました。
春夏までは正直ついていけず何度も途中で切ろうかと思いましたが、「君は優越感に浸るために不遇な俺を愛したんだ」みたいなセリフから世界観に引き釣りこまれました。なぜかこのセリフがきっかけでした。後半もいいところなんですけど。
ジャズの店を開くというのが目標だったのにいつの間にかバンドで名が売れてそっちのほうに方向性がむいてしまう彼と大根大根陰口叩かれながら女優の夢にしがみついている彼女。最後は大女優になります。最後というのは「秋」の終わりから5年後です。5年後から「冬」ははじまります。
そこでは彼女と彼は別れていて、新しい男と結婚をしていて子供もいるという設定です。
そこで偶然立ち寄った店が彼の経営している店だったんです。彼と彼女は昔店の名前について言い合ったことがありました。彼は譲る気はさらさらありませんでしたが、5年経ってみてみると彼女の意向を採用していたということがわかります。
ここでも少し感じるものがありました。なぜか。
夫と彼女がジャズの演奏が終わってから彼のピアノ・ソロを聞くシーン。いきなり彼女にキスをして・・・ということになりますが、最初は?と思いましたが、だんだん妄想であるということが途中から薄々わかってきました。
そして最後の見つめ合うシーンはどこか切なさを感じるものでした。その切なさを感じたのは言い方は悪いですがあの何度も切ろうと思った前半の蓄積があったからなんだということがわかりました。
途中で諦めなければいいこともあるんだなと思った映画でした。