映画生活

基本的にネタバレ有りなのでご注意ください

【映画感想】秒速5センチメートル(2007)

2007年。

新海誠監督。

 

初恋の相手のことをいつまでも忘れられない男の学生時代、社会人時代を描いています。

3章仕立てで1章は主人公が鹿児島に引っ越すことになり半年前に栃木に転校した初恋の相手に電車で会いに行くストーリー、2章で中学時代の話になり思いを寄せている別の娘に好かれるも心そこにあらずみたいな感じになり、3章で社会人編になり未だに初恋の娘への思いを引きずっているという感じな一方その娘は今お付き合いしている彼氏との結婚を控えている・・・てなところに最後に山崎まさよしが流れます。

 

 

この作品は言の葉の庭とは裏腹に胸をえぐってきましたね。切なすぎ。

1章からしてすでにえぐられていて遅れまくる電車の中で涙をこらえるシーン、うっかり一生懸命書いた手紙を風で飛ばされるシーン、約束を3時間オーバーしたのに待っていてくれた彼女を見つけるシーンなんかはいいですねぇ。

そしてキスをしてほだされて手紙よりも今の気持ちを優先して、お互いに思いの丈を綴った手紙を出せなかったところから主人公の運命の歯車が狂っていきます。

互いに好いているのにお互い離れ離れ。男はいつまでも引きずり、女は新しい男を作って楽しくやっているという描写がラスト5分の畳み掛け(山崎まさよしの歌が流れる)の中に散りばめられています。

 

この演出は山崎さんの歌のメロディーもよくこれでもかというほど切なさをぶち込んでくるためだいぶ心にきました。

 

最後主人公は偶然初恋の人と踏切ですれ違うんですけど振り向いても姿がなかったのを見て笑みを浮かべて立ち去るんですけど何を思っていたんでしょうかね。

前に進めると思ったのかこれからもずっと引きずるんだろうなと思ったのか。はたまた。

 

もしあの時手紙が風に飛ばされなかったら、ちゃんと告白していたら遠距離恋愛くらいにはなっていたのかな?などと色々考えさせられる切ない映画でした。

 

映像はやっぱり素晴らしい。