【映画感想】13F (1999)
1999年公開。
1999年にこんなマトリックスみたいな映画が公開されていたとは知りませんでした。
と言っても私はマトリックスをさらりとしか見ていないため類似点は不明です。
タイトルが13Fということでもっとわかりやすい邦題のほうが良かったんじゃないかと思いました。
映画としては見ずらい印象を受けました。ミイラ取りがミイラだったみたいなオチの映画だと解釈しましたが、見終わった後に「はぁ観てよかったなぁ」という気になれませんでした。それどころか妙にモヤモヤしました。そこが残念でした。作品に対してではなく乗り切れなかった自分に。
独創的過ぎたのかもしれません。映画というのは基本的にテンプレ構成+誰も観たことがないインパクトある映像がひとつあれば記憶に残るものだと思います。マトリックスはバレットタイムの弾丸避けシーンがあるから記憶に残りました。ところがこの映画にはそういう印象に残る1シーンというのが自分に取ってなかった気がします。強いて言えば最果ての地のあの緑色のホログラムのようなものですかね。
よかった点はどこでしょうねぇ。自分が現実の人間なのかバーチャルの人間なのか観ている側もわからなくなってくるというところはこないだ見たトータル・リコールを思い出しました。何者かに取って代わられる点はどことなく観た映画の中ではダークシティっぽいなと思いました。それは少しですが。SジャンルはSF映画になるんですけど仮想空間に転送する演出くらいで内容的にはタイムスリップもののっぽいです。
ストーリーは当時としては斬新だったのかもしれませんが、私的にはそこまでの衝撃は感じられませんでした。もしも私が思春期くらいにこの映画を観ていたらまた違った感想になったんでしょうね。これはこの映画に限らずどの映画にも言えることですが。
しかし、まだ理解が浮ついている本作なので掘り下げれば印象はまた変わるかも知れません。もしかしたらスルメかも。個体ユニット、パラレルワールド(?)についてもなかなか想像力たくましい設定がなされているかもしれません。
映像としては1930年の世界の画作りが個人的に好きでした。チープな感じがしません。
レトロ感にワクワクします。
出演者ではヒロインの女優(グレッチェン・モル)さんが美人で印象に残りました。ひと目でガツンとはきませんでしたが見れば見るほど顔の整いっぷりが目に染みてきます。こんな女優さんがいたんですねぇ。スーパー店員時のけばいメイクより断然ナチュラルメイク派です。誰も聞いてませんが。