映画生活

基本的にネタバレ有りなのでご注意ください

【映画感想】チェインド (2012)

2012年の映画。

ジェニファー・リンチ監督。

 

レイプ殺人魔のタクシー運転手に9年間監禁された少年。その殺人鬼と少年の奇妙な生活を描く映画です。

 

まず映画館で母と子の二人で映画館に行った帰りに乗ったタクシーで犯人の家に拉致され、母親はレイプして殺され、少年は殺されることなく、奴隷のように扱われながらも奇妙に生活していきます。

当初少年は逃げ出すことも考えましたが、それは失敗に終わり以後9年に渡り監禁生活を送ることになります。

 

異常者なのに少年に勉強(主に人体について)を教えようと(自習ですが)したり(これは自分の傷の手当をさせるという面もありますが)教育させようとしたりしているところが気持ち悪いです。

 

1回観ただけだと細かいことはわかりません。

犯人の回想に出てくるのは、犯人が幼いころにいま犯人がやっていることと同じようなことを父親にされたというような感じです。

しかし最後に犯人には兄がいてその兄が少年の父親だったことが判明します。

そして犯人の兄であり少年の父親である男も異常性があることが描写されます。

 

このことを踏まえて犯人が悪夢にうなされる回想シーンを見ると、登場人物が4人いることがわかります。犯人の父親、青年、少年、女。

犯人の父親は青年に女をレイプしろと命じて仕方なく青年はやらされているように泣きながらさせられています。それを命じる父親の傍らの少年。これが弟、つまり犯人であることがわかります。

青年は兄です。さらに女が逃げるように部屋を出ていく時に父親に向かってあなたと言っていることからこの女はもしかしたら母親であり、父親は青年に近親相姦するように命じていたのかもしれません。

 

犯人は結局父親がしていたことと同じようなことを少年に強要しだします。犯人は夜な夜なタクシーでターゲットを見繕ってはレイプして殺すということをしています。彼は売春婦だと言っていましたが、売春婦ではないような気もします。彼の母親は売春婦ではありませんでした、売春婦は性交しても殺さないというようなことを夜の街に成長した少年を連れ出した時に言っていました。しかし売春婦も勘定にいれてるかもしれません。犯人は異常者なのでよくわからないということにしときます。

 

そんな犯人に育てられた少年は暗黒面に落ちることなく、犯人と同じ所業を行う「卒業」の日に奇策を使い殺しませんでした。少年は洗脳されず、アンジーという女を結果的に守ります。

そして前述の手紙の件で黒幕が自分の父親だということを知った主人公は「母親」を守るために父親を殺します。

そして犯人の家に戻ってガレージのシャッターが降りたところで物語は終わります。

 

観ていて非常に胸が苦しくなりました。観終わった後は気持ち悪くなりました。グロ画像や死体を観てというんじゃなく胸糞です。しかしただの胸糞映画じゃなくなんとも言えない感情を私の胸に刻みました。

監督はデヴィッドリンチの娘さんだそうですが、才能あるなと思いました。