1976年の映画。
ひょんなことから無名ボクサーのロッキーが世界チャンプと試合することになるというボクシング映画です。
名前だけは知ってるしテーマ曲も有名なので認知はしていましたが実際に通しで見るのは初めてかもしれません。
エイドリアンもセリフとして知っていました。
そのエイドリアンがアラサーの地味メガネだったのが意外でした。
ストーリーはシンプルで自堕落な生活を送ってる三流ボクサーにいきなり世界チャンプとの試合機会が訪れ、練習して、試合するというものです。
ロッキーのキャラはいいですね。ぶっきらぼうだけどやさしく不器用。口の悪い12歳の女の子に歩きながらとうとうと説教したり、自室に閉じこもったエイドリアンの「ドア」としゃべるシーンはいいです。
地味に脇役キャラに魅力を感じました。
エイドリアンの兄の「自分の人生に常にフラストレーションが溜まってる感じ」がいいです。人生なにやってもうまく行かないと思っているんでしょう。精肉屋から取り立て屋に転職したがっているのも変わりたいからなんだと思います。
そんな時にロッキーはアメリカンドリームを掴みます。さらにエイドリアンという彼女もゲット。エイドリアンは自分の妹で、いままで誰も男に相手にされていない同じ不遇仲間でもありました。
身近な二人が時を同じくして変わっていき幸せになっていく様を見て嫉妬心が増幅していきます。
そんなある日三人でテレビを見ていてロッキーがエイドリアンとテレビの中で言っていて今にもいちゃつきそうな雰囲気です。そんな時にロッキーが兄がおこぼれをほしがっているみたいなことを言ってブチ切れ家の中を破壊します。
そしてエイドリアンも今まで兄に対して言いたくても言えなかったことを洗いざらいぶちまけて兄弟喧嘩。そしてロッキーに殴りかかられるかもと思った兄は「殴らないでくれ・・・」と急にしょぼくれてしまうというやり取りがよかったです。
不遇仲間が不遇を卒業して自分だけ取り残される寂しさのようなものが伝わってきました。
エイドリアンの生き遅れ感もよかったです。急にロッキーが家を訪ねてきておめかしについて気にしだすエイドリアンはかわいいです。ただロッキーと結ばれてエイドリアンが垢抜けてからは普通になってしまいました。
あとは高利貸しの親分の気前もよかったです。エイドリアンとのデート代、練習代としてぱーっとロッキーにくれてやるのがいいです。
セコンドの爺さんはそこまで魅力を感じませんでした。
というか掌返しであんなにいかっていたロッキーが協力を了承したのはただ単に一分を晴らしてすっきりした後に冷静になったからですかね。
試合シーンは普通でした。3ラウンド目くらいからとび、ラスト2ラウンドの描写になります。
自由の女神の格好をしたラウンドガールのほうに意識が行ってしまいました。
試合シーンが普通というかいまいちに感じたのは判定負けだったからだと思います。
映画なんだから湘北が山王に勝ったみたいに、チャンプをKOしてほしかったです。
そのほうが爽快感ありますし(現実感ないけど)。
どちらかというと後半よりも前半のほうが個人的には良かった気がします。
ペットショップに内気で地味な彼女の気を引くために通い詰めたり、スケートリンクでデートしたりとエイドリアンを口説き落とすまでがよかったです。
有名だし名作ということで自分の中のハードルが上がっていたため思ったよりはそうでもなかったかなという感想です。